「髪を切ったねと」声をかけてくれた人がいたことだけ覚えてる
忙しさにかまけないでピアノを弾いた日の方がよっぽど元気
不穏な音を突き詰めねばとこわごわ見るとボタンがちぎれていた
時計台の前、ダウンを着たおじさんを撮っているおじさんふたり
漫画アプリに未読話が積まれていて、そんなに時間が経ったか、と
「ずっしりとした重みの確かさ」という使いたいだけの言い回し
また会いましたねと思うのは私だけ?な1分ぶりの4度目
狙っていた席の利用を終えるようだ!を見て駆け寄るあさましさ
流しで映る顔を見る、をバレたくなくて俯く、を見られ恥じる
少し離れた席に着く人の小さな「よいしょ」に心奪われる
中古の板の動きがすぐ重くなる。冷まさぬカバーのせいであれ。
勢いづいた身体は止められなくて身を捩った、ショートカット
図書館のゲートに長ネギは異質で、よく見たのにまた振り返る
靴を半分脱いで膝を弾ませなきゃ座ってられないの、わかる
外套のポケットには手を入れてしまうから、せめて顎くらい引く
今日はまだイヤホンなしでいられてる。珍しい日で少し嬉しい。
「崩れたくない」で閉じようとするを許されないのはきっといいこと