240115 : 31文字

日記

「髪を切ったねと」声をかけてくれた人がいたことだけ覚えてる


忙しさにかまけないでピアノを弾いた日の方がよっぽど元気


不穏な音を突き詰めねばとこわごわ見るとボタンがちぎれていた


時計台の前、ダウンを着たおじさんを撮っているおじさんふたり


漫画アプリに未読話が積まれていて、そんなに時間が経ったか、と


「ずっしりとした重みの確かさ」という使いたいだけの言い回し


また会いましたねと思うのは私だけ?な1分ぶりの4度目


狙っていた席の利用を終えるようだ!を見て駆け寄るあさましさ


流しで映る顔を見る、をバレたくなくて俯く、を見られ恥じる


少し離れた席に着く人の小さな「よいしょ」に心奪われる


中古の板の動きがすぐ重くなる。冷まさぬカバーのせいであれ。


勢いづいた身体は止められなくて身を捩った、ショートカット


図書館のゲートに長ネギは異質で、よく見たのにまた振り返る


靴を半分脱いで膝を弾ませなきゃ座ってられないの、わかる


外套のポケットには手を入れてしまうから、せめて顎くらい引く


今日はまだイヤホンなしでいられてる。珍しい日で少し嬉しい。


「崩れたくない」で閉じようとするを許されないのはきっといいこと