「バイト先」
やりとりが終わりそうだから次を探す。常に求めてる、見てくれる人。
昨日飲んだ、味が強めの缶コーヒー。効きそうだから今日も手に取る。
屋上の扉は確かに開けたけど、空の模様は思い出せない。
受付をたずねる声が震えてた。外の空気は多分冷えてる。
はだしで駆け出す気概はないから、指折り数えて言葉を探す。
さっきから座ってじっとしてるだけ。「全部終わった」のときに焦がれて。
具合悪そうな知人のThreadsが私の裂け目を舐めた気がした。
打ち出した画面の文字は湿ってる。いかにも運動音痴な感じ。
待ち合いのソファのほこりを払う音。2年勤めて初めて聞いた。
廃棄物回収の兄さんは2代目。髪型変わるの何回目?
気がつけば窓越しの空は明るくて、どんだけこうしてるんだと思う。
諦めた提出課題のドキュメント、〆の時刻でようやく「削除」。
目線は相手の手元にやって、鼻の詰まった声を出す陰気さ。
「換気口、吹き込む風が冷えるから」湯浴みの長さは見逃してほしい
「シュークリームと恥じらい」
頬張る不恰好さを見られずに済めばな。こんなにも美味しいのに。
ストーリーにあげてはみたけど、生々しくて気持ち悪くて消した。