250518:わかりやすいノスタルジア

日記

 幼い頃の私は電車が好きだった。今検索をかけてみてもピンと来るものはないが、ビビッドなオレンジ色が可愛い電車を好んでいたし、乗った電車が連結したり解除したりするときには、必ず親を引っ張って様子を見に行っていた。

 その後、五歳から十四歳までは全く電車の走っていない地域に暮らしていた。その分、祖父母の家へ行くなどの都合で電車に乗る時はわくわくしていた。新幹線といえばじゃがりこだったし、幼馴染のお母さんが作ってくれたちらし寿司は忘れられない。

 カメラロールをくっていると、一年前に福岡で撮った写真が目に入る。

 ふと、何本もの線路と役目を終えた電車たちを両親と眺めていた光景を思い出す。だだっ広くて寂しい、郷愁に満ちた出来すぎた記憶は、後になって編集されたものなのだとは思うが、確かに経験したものだとも思う。そのくらいに、この写真は懐かしい。