241013 : 作ることと泣き言

日記

昨日一緒に京都音博へ行った仲のいい先輩に、作詞に興味ないですかと声をかけた。私はしばしば歌詞を書こうと試みるし、8割方できている曲もあるのだが、言葉が好きな人に書いてもらいたい気持ちもある。何より、人と何かをすることになったら多少の強制力は産まれる。最近本腰を入れて曲を書くことができていなかったので、これを機にえいと書き上げてしまいたかったのだ。

職場への通勤、自転車を漕いでいるときにぼんやりと旋律を考える。ジャンルには疎いからあっているかわからないが、なんとなくindie rock-だと思い込んでいる-系の曲を書いてみたいと思って、ブランデー戦記の coming-of-age story に似た曲をspotifyで10曲ほど揃えたので、それを思い出しつつむにゃむにゃと口ずさんでみる。ほんのりとしたAメロはできた。イントロのリフも思いついた。サビは前練っていたやつとくっつけられそうだなと思ったし、Bメロも短めで収まりがいいものを思いついた。

職場でちまちまと打ち込む。ギターのバッキングとドラム、まだ打ち込んでないけどベースなどについては、デモ段階ではある程度テンプレートに乗っかって作ることにしている-そうじゃないと面倒臭すぎる-ので、ほんのりとは形になってきている。ガイドメロもシンセで打ち込む。だが、時間を開けて聴き直すとどうにも魅力的に感じられない。

参考曲と比較してみると、自分のものは音が詰まりがちであることに気づく。早めのテンポの上でするりと伸びるような旋律が欲しい。仮歌詞を組みつつ口づさむがしっくりこない。それは言葉の問題もあるし、音自体の問題もある。別にこんなこた言いたかないみたいなことも平気に口から出てくるから恐ろしい。

再来週の水曜から、寮の友人たちと文章を書いて読み合う会を始める予定でいるので、作曲の合間合間ではそれに向けて参考図書を読んでいた。なんだか私には内容が入ってきにくくて少し辛かった、というより読み切っていないからまだなお辛いのだけれど、筆者が言わんとしていることは、とりあえず書けということだった。手を止めるな。編集しようとするな。ただただ書くのだ。膨大な思索の渦の中に身を投じない限りは何も見えてこないのだと。

作曲も似たようなものなのかもしれない。バッキングのトラックを作ってみては、ありえる旋律を組んでみるしかないのかもしれない。何通りも試す中で、ようやく至高の一つに出会えるのかもしれない。そして気がつけば当初のバッキングとは違うトラックを旋律が求め始めるのかもしれない。辛いものだなあと思いながら、口ずさんではボイスメモに控えるのだ。