白橋つむぐ

摂取

『黄金探索者』(ル・クレジオ)

荒波に揉まれながら舵を切る高揚を、六分儀で緯度や軽度を測る方法を初めて知る興奮を、私は知らない。目的地に運んでくれる安心安全な交通機関に揺られて、現在地はGPSが教えてくれる。私はこの時代だから生き残ることができているタイプの人間だろうから...
日記

240630

ご無沙汰の日記。私にとって、文章を書くことができないのは元気がない証である。日記を書かなかった日にだってそれなりの輝きはあるというのに、あたかもくだらない1日だったかのように切って捨ててしまうことこそ、文章を書かないという事態が意味すること...
摂取

『恋愛制度、束縛の2500年史-古代ギリシャ・ローマから現代日本まで』

恋愛のことで凹んでいた日に手に取った本。この5月に名大出版から出たハルワニの哲学書を読む予定があり、関連本として挙げられていたので読んでみようかとなった。古代ギリシアの恋愛は、もともと一つであった者同士が片割れを強く求める形で現れる。プラト...
日記

240616

すんなりと眠りにつくことはできたが、明け方二度ほど目が覚めた。あまり目覚めがいいとは言えない。今日明日と、通勤の時間帯は雨が降らないようなので、自転車を漕いで職場へと向かう。何だか普段よりも遠く感じたが、所要時間はさして変わらなかった。楽し...
摂取

『社会学はどこから来てどこへ行くのか』を読んで

責任の所在という問題について。(76 ~ 79頁)私は「共同体意識の中に存在する個人」という構図で、自治空間において発生する責任感との距離感をいかにして取るかというテーマの小論を書いた。ある先輩や加藤典洋は日本の戦後責任を非当事者世代がいか...
日記

240615

先日、「勉強をしようしよう」というLINEグループを作った。やらなきゃいけないとはわかっていても一人じゃ腰が重いよという人や、人と一緒の方が捗るという人などなどによる勉強互助会グループである。今朝目が覚めると、そのグループで友人が作業やって...
日記

240612

今週は読書会・学習会が立て込んでいる。明日はミクロ経済学の自主ゼミとケインズの読書会。土曜日はアーレントに関する研究書の読書会。今週と来週は学部の演習が休みだから回っているが、再来週以降どうにかなるのかに関してはやや心配。昨日の夜、ブロック...
摂取

『一億総ガキ時代 : 「成熟拒否」という病』

本書は、引きこもり、モンスターペアレント、依存症などの問題が生じてしまう社会的・精神的なメカニズムについて、精神科医である著者が解説する本である。内容を私なりに要約すると以下のようなものになる。自分が抱えている自己愛や全能感といったものは、...
創作

『幽霊』

幽霊は執念を抱えたまま机を拭ってはその指先をじっと見つめている幽霊は解消されない思いの跡にじっと立っているいつか解放されたいと思っているのかそのままでいいと思っているのか本人にもわかっていない
日記

240610

大学を休みたくて休みたくて仕方がなかったが、なんとか日焼け止めを塗って、自転車にまたがって、大学へ向かった。月曜はいつも憂鬱だが、先生の声が好きなことだけが救いだ。執着心を幽霊と表現して、歌詞を書けないだろうかと練っているが、よくよく考えれ...